はじめに
自動売買EA(Expert Advisor)でプロップファームに挑戦する中で、合格率82%から93.7%まで改善できた最適化の過程を記録します。
ポイントは「数字が良くなる変更=正しい変更」ではないということ。過適合(カーブフィッティング)のリスクを見極める判断が最も重要でした。
やったこと(5日間の最適化)
1. 戦略別リスク配分の調整
3つの戦略を合成したポートフォリオEAを使っていますが、各戦略のリスク配分を個別に調整しました。
27ヶ月のOut-of-Sample期間で20戦略以上をWFA(ウォークフォワード分析)検証した結果、シンプルな売買ロジックの組み合わせが最も安定することがわかっています。
1つのロジックに頼るより、複数の戦略を合成してリスク分散した方が、プロップファームのルール(特にDD制限)をクリアしやすくなります。
2. 金曜エントリー停止フィルターの導入
金曜日のエントリーを停止するフィルターを追加しました。週末のポジション持ち越しリスクを排除することで、月曜の窓開けによる想定外のDDを防ぎます。
3. ポジションサイズの制限
「2つ目以降のポジションは1つ目より大きくしない」というルールをテストしました。
このルールを外すと利益は+1.4%増えましたが、苦手な相場で大負けしやすくなり、合格率が大幅に低下。 稼ぎを増やすより「負けを抑える」方がプロップファーム合格には大事 という結論に至りました。
検証結果
- 合格率:82% → 93.7%
- 9つの独立した検証期間中、 8期間で利益向上 を確認
- 残り1期間も大きな悪化なし
過適合を避けるための判断基準
最適化で最も気をつけたのは、過適合(オーバーフィッティング)です。
以下の基準で変更を採用・不採用に分けました。
| 判断 | 基準 |
|---|---|
| 採用 | 論理的な根拠がある変更(金曜フィルターなど) |
| 採用 | 複数の検証期間で一貫して改善が見られる |
| 不採用 | 数字は良いが理由が説明できない変更 |
| 不採用 | 特定の期間だけで効果がある変更 |
数字が良いだけの変更は、過適合リスクがあるため不採用にする判断が重要でした。
短期足EAの落とし穴
M1〜M15などの短期足でEAを何度も開発・検証しましたが、必ずと言っていいほど破綻します。
- トレンドフォロー型の戦略と相性が悪い
- スプレッドや手数料で負ける
- 細かなノイズが多すぎて騙される
短期足での自動売買は、少なくとも自分の手法では再現性を確保できませんでした。
おわりに
プロップファームをEAで攻略するには、「いかに勝つか」ではなく「いかに負けないか」を突き詰める最適化が必要です。合格率を上げるために重要だったのは、以下の3点です。
- 複数戦略の合成でリスク分散 — 1ロジックに頼らない
- 負けを抑える設計 — 利益を増やすより重要
- 過適合の排除 — 数字だけで判断しない
プロップファームのチャレンジはDD制限との戦いです。攻めの最適化ではなく、守りの最適化こそが合格率を決めます。